イッタラ銀座マグの続き 2010年、イッタラショップ銀座(閉店)の2周年記念に発売された限定マグは、オイバ・トイッカらしいカラフルなドットに包まれた超絶素晴らしいマグだった。
それはフィンランドでも話題となり、僕周りのヴィンテージディーラーの誰もが欲しがっていた。
本当に凄いものを作ったもんだ、誰の発案だったんだろう、とにかく羨ましかった。
この方向でマグを作ろうと企画発想した人がいる。
僕は残念ながら、この発想に至ることはできなかった。
オイバのドット物、ビンテージやユニークピースを多数所有していながら、この発想に至らなかった。
これは本当に残念なことなのだけれど、どうしようもない。
それでイッタラ銀座マグの続きをやらせて下さいとイッタラに頼みこみ、スコープ別注のHelleマグ企画はスタートした。
色替えでサクッとできるのかと思っていたら、新たにやり直してくれたようで時間は相当かかった。
イッタラ銀座マグに比べ、少しドットが間引かれたのか密度は少し下がって見える。
HelleMugに関しては別注バードやアートピース制作のように、アレコレ僕が口をはさむことはできない。
オイバとイッタラに丸投げし、出来上がったいくつかの候補から好きな配色を選ばせて貰う。
今回は6つの配色から1つを選ぶ。
選んだのだけれど、僕が選んだ配色を含んだ3配色は生産できないことが後々判明し、残り3色から選び直して欲しいと連絡が入った。
それで改めて一つを選んだ。
それがスコープ別注Helleマグイエロー。
5000個生産、2018年9月末発売。
限定生産と決めたわけでもなく、もう作らないわけでもないのだけれど、どうせ作るのなら新しい配色で作りたかったので、再生産はないだろうと思っていたのだが。
2019年4月オイバ・トイッカはいなくなり、新しい配色が生まれる事はなくなってしまった。
いつかまたイエローを再生産しようと思う日がくるのかもしれない。
そして僕が選ばなかった2配色はイッタラ直営ショップ限定アイテムとして販売される事となり、スコープも変則的ではあるが販売店として加えて貰った。
2019年5月、HelleMugブルー、ターコイズ発売。
特に限定生産というわけではないのだけれど、だからといって定番ってわけでもない。
つまり先は決まっていない。
僕と同じく、オイバのドットが好きな人は是非どうぞ。
こういったオイバらしいミッチリと埋め尽くされた装飾が好きな人が身近に置き、日々愛用してくれれば、それが何より。
日々の生活が少しでも楽しく華やかになってくれたら、それが何より、そう思う。
オイバのドットが色々あるテーブルはなんだか素敵だ。
オイバのドット 色合わせの妙 オイバの作品にはカラフルなドットを施した作品がいくつかある。
ARABIAのPro Arteから出ていた長角皿(A4、A5、A6、A7サイズでオイバはA4とよく呼ぶ)も、カラフルなドットを含んでいたし、ロールストランドで1990年に生産された花瓶や不思議な形をしたボウル(2010年のArtWorksのLAHDEみたいな形状)のシリーズもドットが含まれていた。
またオイバがアートピースとして1990年にアラビアの展示会用に制作した6枚のハンドペイントの絵皿にも2枚のドット柄が含まれていた。
1990年代のオイバはドットが流行っていたんだろう。
そして、そのドットというより、色合わせの妙、真似ることのできない独特な色の組み合わせは本当にオイバらしくて素晴らしい。
ポムポムしかり、バードしかり、バンブーしかり、何にしてもオイバらしい色合わせの妙なのである。
長らくポムポムやバードをオイバ・トイッカと一緒に作り続け、その中で色合わせについてのルールを教わった事もあったし(いくつか鉄則はある)、試作の中で自ら学んだりもした訳なのだけれど、それは毎度同配色が続くわけでもなく、新しい組み合わせがポツポツと生み出されていくのは本当に面白かったし、よく驚かされた。
最後に一緒にイッタラ工場へ行って試作した時、オイバが試していた配色はペールピンクとレモンの組み合わせだった。
HelleMugの新配色を今、オイバ・トイッカにリクエストすれば、ほぼ間違いなくピンクとレモンを使った甘い色合いになったんだろうな。
オイバ・トイッカという人は本当に装飾された物が好きな人なのだ。
真っ白いお皿なんて、面白くもなんともないって常々言っていた。
そしていつもオイバの部屋は、あらゆる装飾で埋め尽くされていた。
自身のガラス作品や陶芸作品、カイピアイネンのオブジェや絵皿、そして石本藤雄のテキスタイル、これらが部屋を埋め尽くす。
このHelleマグもオイバ好みのドットで埋め尽くされている。
本当にオイバらしいアイテムだ。
このHelleマグの新配色をスコープで取扱できるというのは、僕にとって本当に嬉しいことなのである。
オイバの部屋の中の動画(昔々の動画なんですが) スペック 材質 磁器 寸法 約φ83×W110×H80mm / 約260g / 250ml (iittala社のTeemaマグ250mlがベースとなっています。
) 生産 Made in Thailand 備考 オーブン(直火不可):○ / フリーザー:○ / 電子レンジ:○ / 食器洗浄機:○ 購入前に確認ください ・ 小さな黒点やピンホールは良品としています。
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